そして優しい嘘を言葉に
パンパン

涼が手を叩くと、少し静かになった。



「なーんて、いろいろ言ってみたけど、本当の所は皆さんの想像にお任せします」



あっ、やっぱり、最後にはそう来るんだね?



「なーんだよ、やっぱり、最後はそう言うオチ?」

私と同じ感想を、みんなが口にし始めると、涼はニッコリ笑って言った。



「想像にはお任せするけど……一応、言っておくが、俺ってこう見えて案外一途だったりするから、もし『ペアエプロンの彼女』が居たら、きっと今でも付き合っていると思うぞ? ……って事で、この話は以上!」



どうしよう……泣きたくなる位、嬉しい。



嘘でも存在を否定されて淋しかったけど……最後には誤魔化しながらも、私にしか分からない言葉で、私の事を大切に思っているって話してくれた。



まだまだ弱い私で、ごめんね?

でも……ありがとう、涼。


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