そして優しい嘘を言葉に
「やっと気付いたのか……」

ボソッと、沖野先生の呟きが聞こえた。



気付いた……って、あれっ、じゃあ、今はもしかして、ヤキモチ妬いて呼ばれたの?

な~んだ、ただ話をしていただけなのに。



でも。

やっぱり、ちょっと嬉しいかな?



「罰として、今日の帰り、これを俺の家まで届ける事」



ポン

持っていたバインダーで、軽く頭を叩いた後、沖野先生は私の手にそれを渡した。



えっ?

私が返答する前に、沖野先生はこの場を離れていた。


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