そして優しい嘘を言葉に

おばさんは、変わらずに優しかった。

久し振りに会ったのに、久し振りに話したのに……私は僚二を切り捨てるような事を言ったのに。

それなのに、おばさんは『怖がらずに、幸せになるのよ?』って言ってくれた。



私、怖いの?

幸せになるのが、怖いの?



1人息子の僚二を失ったおじさんとおばさん……。

おじさんとおばさんから大切な人を奪った私なのに……幸せになる資格なんて、無いのに……。



その時。



目の前が急に明るくなり、私は真っ暗な部屋の中に居た事に気が付いて、ハッとした。


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