そして優しい嘘を言葉に
涼は口を挟まず、私の言葉をジッと待っていてくれた。



少し、気持ちが落ち着いた。

よし。



「僚二より大切な人が出来たから、来年からは僚二へのチョコは止める……きちんと、そう言いたかったの」

「美雪……おまえ……」



涼はそう呟いた後、黙り込んでしまった。



「だってそうでしょ? 僚二が言ったんだよ? 『義理チョコは受け取らない』って。なら、もうあげられないよ……」



だって。

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