そして優しい嘘を言葉に
『いいかな?』……そう訊こうとしたら、涼が難しい顔をしたのに気が付いた。



えっ? なんで?

涼なら即答で『いいよ』って言ってくれると思っていたから、不安が心によぎった。



すると、涼はハッとして、私を見た。



「あっ、別にダメな訳じゃないからな? 安心しろ」

「でも」



今の表情が気になって、訊こうとしたら、涼がその言葉を遮るように言った。



「ただし……4月以降でいいか?」



ドキッ

『4月以降』と言う言葉に、大事な事を思い出した。

涼のこれからの事。

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