そして優しい嘘を言葉に
「『これは』、何?」

涼の表情が『悪戯っ子モード』になっている。



分かっているくせに!



「なんでもいいでしょ? いらないなら、私が食べちゃうよ?」

「なんでもいいわけないだろ?」



そう言う涼は、ちょっと拗ねた口調になっていた。



「涼?」

「おまえなぁ、おまえからしたら『お礼チョコクッキー』ってだけかもしんねーけど、もらった男子の中には、明らかにウキウキしてた奴がいたんだからな」



……えっ?



「ったく。みんなに同じの配ってんだから、ただの『義理』だって分かるだろうが、普通」

ご機嫌斜めの涼。

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