そして優しい嘘を言葉に
「何が『うわーい、美雪にバレンタインのチョコもらった♪』だ。語尾に音符記号飛ばしてんじゃねーぞ」

「あのぉ、涼」

「ん?」

「ヤキモチ?」



ジロッと睨まれた。

そして、次の瞬間。



グイッ

「うわっ」



急に手首を引っ張られ、私はバランスを崩してよろめき、今度は腰の辺りをグイッと引っ張られ、気が付いたら涼の膝の上に横座りで腰掛けていた。



うわっ、うわっ、うわっ。

私が慌てて立とうとすると、腰に回っていた左腕にギュッと力がこもり、立ち上がれなかった。

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