そして優しい嘘を言葉に
その瞬間。



舌に何かが触れて、思わずビクッとした。

でも、その後すぐに、私の唇は解放された。



いつの間にか、目を閉じていたみたいで、私は静かに目を開ける。

口の中にはもう塊は無くなっていて、抹茶の香りだけが広がっていた。



「こうして食うと、甘いかも」

涼の声に、ハッとした。



な、何、今の?


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