そして優しい嘘を言葉に
「いろんな意味で……ごちそう様でした」

そう言って、涼は自分の唇をペロッと舌で舐めて見せてから、軽く私に頭を下げる仕草をした。



えっ、あっ、やっぱり。

私は恥ずかしくなって、でも、涼が離れないようにしっかり腰を抱き締めていて身動きとれないので、仕方なく涼の肩に顔を埋めて見られないようにした。



ちょっと触っただけ……でも、あれって、涼の舌、だよね?



「バレンタインなんで、ちょっとだけランクアップな?」

涼の声が、楽しそう。

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