そして優しい嘘を言葉に
その後、私の隣に居た真実と希未をチラッと見てから、章弘先輩は言った。



「ちょっと美雪に話があるんだけど、いいかな?」

「えっ、話? いいですよ? どうしたんですか、改まって」



私はそう言って先輩が話し出すのを待っていると、先輩は苦笑いをして頭を少しクシャっとかいた。



「ここではちょっと……あっちでいいか?」

そう言って章弘先輩は、体育館の方を指差した。



なんだろう?



「はい。……ごめん、ちょっと行って来るね」

何か言いたそうに口をパクパクさせている真実と希未にそう言って、私は先に歩いて行った章弘先輩を追い駆けた。

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