そして優しい嘘を言葉に
章弘先輩は無言のまま、体育館の裏手の方に向かっていた。
んー、なんだろう?
中学の時から知っていて、みんなの前で冗談言ったりからかわれたりする事はあったけど……こんなふうに誰にも聞かれないような場所で話をする、って事は1度も無かった。
校舎が完全に見えなくなった体育館の裏へ着くと、章弘先輩は辺りをキョロキョロと見回して、誰も居ないのを確認してから、私の方を真正面から見た。
「章弘先輩? どうしたんですか、こんな所で話なんて?」
私が軽く首を傾げてそう訊くと、クスッと笑われた。
「卒業式の日に、このシチュエーション……普通は気が付きそうなんだけど……ホント、俺って完全に想定外なんだろうなぁ」
章弘先輩は苦笑いで、自分の髪をクシャとかいた。
んー、なんだろう?
中学の時から知っていて、みんなの前で冗談言ったりからかわれたりする事はあったけど……こんなふうに誰にも聞かれないような場所で話をする、って事は1度も無かった。
校舎が完全に見えなくなった体育館の裏へ着くと、章弘先輩は辺りをキョロキョロと見回して、誰も居ないのを確認してから、私の方を真正面から見た。
「章弘先輩? どうしたんですか、こんな所で話なんて?」
私が軽く首を傾げてそう訊くと、クスッと笑われた。
「卒業式の日に、このシチュエーション……普通は気が付きそうなんだけど……ホント、俺って完全に想定外なんだろうなぁ」
章弘先輩は苦笑いで、自分の髪をクシャとかいた。