そして優しい嘘を言葉に
えっ、これって、誰かが仕掛けたドッキリ?

思わず辺りを見回す。



「言っとくけど、『ドッキリ』の仕掛けなんかじゃないからな」

いつものからかう口調で、先輩はそう言った。



「あれっ? 今日って、4月1日?」

「エープリルフールでもありません」

章弘先輩は笑顔で私の言葉に、ツッコミを入れた。



でも。

すぐに、今まで試合の時にしか見た事が無い、真面目な顔をして……。



「美雪の事、ずっと好きだった」



ドクン!

えっ、冗談じゃ、ないの?

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