そして優しい嘘を言葉に
「僚二が居なくなって、それから美雪が中学に入学して……『恋なんかしません』って感じに、3つも掛け持ちして部活に打ち込んでいる姿は、最初、俺には痛々しかったんだ」



そんなふうに思われていたなんて、全然、気が付かなかった。



「でも……」

そう言って言葉を切ると、章弘先輩はジーっと私を見つめた。



ドキン ドキン ドキン……



な、何?

すごく温かい表情をしている。



そして、章弘先輩は優しく呟くように言った。

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