白虎連合Ⅲ






星空の下、真夜中なので車は少ない。

ただ頬に当たる風が気持ち良くて。



って、あれ?







「運転、荒くない」


「俺かて普通に運転出来るわ」






いつもの荒い運転はなくて、普通に走っている。

信号だけは平然と無視やけど。



そういえば初めて会った日も普通の運転やったっけ。

忘れてた。







「何処行くんー?」


「何処やろな」


「決めてないんかい」


「うっさいぞ」






思えば、英寿くんと二人きりで何処かへ行くのは初めてで。

必ず一緒に誰かいたのに、今は誰も居ない。



なんだか、嬉しく感じる。







「だからあんまりお酒飲んでなかったんや」


「そゆこと」


「確信犯?うわー」


「いつもみたいな運転したろか?」


「すみません」






でも、怖っ。







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