白虎連合Ⅲ
英寿くんに怒られるのなんて、いつぶりだろう。
雄大くんに怒られて、英寿くんはそれを見て慰めてくれるばかりだったから。
下手したら初めてかもしれない。
でもな、分かって欲しいねん。
英寿くんだけには分かって欲しいねん。
「…うちかてそりゃ悔しいわ!!!」
「ほななんでその女の好きにさせてんねん!!!お前それでも総長か!!!」
「荒らそう気が無いって言ったら無いねん!!!」
叫ぶ様な、高い声が辺りに木霊する。
だって、本当に分かって欲しくて。
「庇うんけ、そいつ」
冷たい言葉に思わず顔を上げる。
目に入ったのは怒りの表情の英寿くん。
耳に入ったのは、
「そんな情けない女に白虎を託したのは間違いやったんかもな」
残酷な言葉。
.