白虎連合Ⅲ






何度も涙を拭い、必死に言葉を繋げる。



英寿くんが聞いてるか分からない。

もう遠くに行ってるかもしれない。



けど、聞いて欲しい。








「絵里を放置してんのは、正直もうどうでもいいから」


「過去の事を忘れたわけじゃない」


「だから、えっと、その、」






段々自分が何を言っているか分からなくなってくる。

頭の中がぐるぐると回って。







「うちはもう絵里と関わるつもりもないの!!!」








だから放置してる。

逃げるわけなんかじゃない。

絵里から逃げる意味もない。




色んな意味で関わりたくないだけ。








「英寿くん、無駄な力は使うなって昔言ってたやん」


「だからうちに手を出すの禁止したんやろ?」


「うち、もう落ち着いてんて」






白虎を背負う人間は。




英寿くんみたいな人間にならなければいけないから。







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