白虎連合Ⅲ
低く、聞こえた小さな声は案外近くで聞こえて。
顔を上げると目の前には英寿くん。
目が合ったのは、彼も座り込んでいたから。
「絵里って聞いて、ついイラついてもうた」
「……………」
「ゆいが、また傷付くと思ったから」
「今更…傷付かんわ」
「せやな、」
視線を外し、地面に目を伏せる。
すると先程のように頭を撫でられて。
「白虎任したん間違いとか言ってごめんな」
「……………」
「本間はゆいが頑張ってんの知ってんのに」
「…うん、」
「押し付けたん、俺やのにな」
ふわ、と風が靡いたのは勘違いで。
私が英寿くんに抱き締められていたから。
少しの香水と、SevenStarsの香り。
頬にくすぐるのは黒い髪。
「いいよ、もう」
分かってくれたのが嬉しくて。
涙の代わりに笑顔が溢れた。
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