白虎連合Ⅲ







「あれ?ゆい?」






イラつきが最高潮に経つ寸前、頭上から聞こえてきた声に顔を上げる。

そこには制服を着崩し、頭を傾けながら階段を降りてくる会いたかった人。






「雄大くん、」


「何してんねんな、こんなとこで」


「雄大くんにお土産渡すの忘れてたから」






目の前で立ち止まった雄大くんにお土産の数珠を渡して。

長かった道のりにホッと一息ついた。







「ほ、本物?」







いつの間にか静かになっていたヤンキー達の絞り出すような、情けない声。

視線を変えると彼等の目は点になり、固まってる状態。



だから言ったのに。







「んー?てかお前ら何うちのゆいに絡んでくれちゃってんの?」


「すみません!!!で、でもまさか本人やと思わんくて…!!!」


「言い訳け?ん?」


「噂やと華風さんってめっちゃギャルって聞いて…それで、その、」


「まぁええわ、ゆいおいで」


「うん」







ヤンキー達は頭を下げ、それ以上何も言わなかったけど。



めっちゃギャル?





よーわからん。







.
< 147 / 358 >

この作品をシェア

pagetop