白虎連合Ⅲ
「あれ?ゆい?」
イラつきが最高潮に経つ寸前、頭上から聞こえてきた声に顔を上げる。
そこには制服を着崩し、頭を傾けながら階段を降りてくる会いたかった人。
「雄大くん、」
「何してんねんな、こんなとこで」
「雄大くんにお土産渡すの忘れてたから」
目の前で立ち止まった雄大くんにお土産の数珠を渡して。
長かった道のりにホッと一息ついた。
「ほ、本物?」
いつの間にか静かになっていたヤンキー達の絞り出すような、情けない声。
視線を変えると彼等の目は点になり、固まってる状態。
だから言ったのに。
「んー?てかお前ら何うちのゆいに絡んでくれちゃってんの?」
「すみません!!!で、でもまさか本人やと思わんくて…!!!」
「言い訳け?ん?」
「噂やと華風さんってめっちゃギャルって聞いて…それで、その、」
「まぁええわ、ゆいおいで」
「うん」
ヤンキー達は頭を下げ、それ以上何も言わなかったけど。
めっちゃギャル?
よーわからん。
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