白虎連合Ⅲ






顔を上げ、手に持っていた木刀を肩に担ぐ。



表情は無し。

瞳は漆黒。







「その怪我した奴出せや」


「あぁ?」


「真実、教えたるわ」


「よーわからんけど、おい」







一人の総長が隊員に呼びかけ、ぞろぞろと私の前に出てくる。

包帯やギブス、人それぞろの怪我。



けど一つだけ同じもの、それは。







「………………」


「顔上げろコラ」


「あ、あの」


「その華風、こんな顔やったけ?」







全員、下を向いている。



恐らく、いや絶対。

こいつらが言ってる華風ゆいは。







「お前らどうしてん?」


「………がいます、」


「あ?」


「俺らが見た華風さんと、違います」







ギャル軍団と同じ、偽物。








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