白虎連合Ⅲ
龍が家から回してくれた私のバイクに跨り、鍵を差し込む。
倉庫からは未だに大きな音や呻き声。
ハンドルを回し、バイクを発進させた。
髪とブレザーが風に靡く。
心の中がざわざわと騒がしい。
わかってる、何に対して落ち込んでいるのか。
でもそれを誰にぶつけ、何にぶつけたらいいのか分からない。
『女が白虎纏めるなんて無理』
『英寿さん、受け継がせる相手間違えたっしょ』
ギリ、と歯を食いしばる。
ハンドルを更に強く回した。
『お前に白虎任したんは間違いやったんかもな』
英寿くんに言われた言葉とリンクする。
言い過ぎたって謝ってくれた。
俺が押し付けたくせになって言ってくれた。
けど、けどな。
本間にうちが白虎任されていいんかなって思ってしまう。
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