白虎連合Ⅲ
守りたいモノ
「ほな進路の紙配るからなー、親とも相談しろよー」
配られた紙を後ろの人に渡しながら、片手で紙を見つめる。
そこには第一志望、第二志望と書かれていて。
進路、か。
進路表を机に置いて空を見上げる。
梅雨が近いのか曇り空。
もうすぐ、夏。
「ゆいは進路どうすんのー?」
「決めてないー、紫織は?」
「あたしはやっぱりファッション系の専門学校かなっ」
「なるほど」
確かにあれだけ服を完璧に造れる紫織にぴったりかも。
それに比べて進路なんて考えたことなかったし。
まぁ考える暇もなかったんやけどね。
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