白虎連合Ⅲ





まだ隊員が全員集まっていないので、道路の脇に座り込む。

タバコを取り出し、火を付けた。



龍は幹部候補や隊員とじゃれて遊んでいる。

蓮もバイクを弄り、雑談をしていて。






蓮も?








「ちょ、蓮」


「あ、ゆいさん」


「あんた紫織は?」


「はい?」







声を掛け、そう告げると蓮は頭を傾げて私を見上げる。

私も私で頭を傾げて。




ミルクティーの髪と、メッシュの入った髪が揺れた。







「紫織はゆいさんに送って貰うって言ってましたよ?」


「え?」


「なんか新人の隊員にゆいさんから伝言来たって」


「新人…?」


「ゆいさん忘れてたっしょー、俺が今から迎えに行きましょか?」







暑さにやられたんすかー?と笑いながら蓮は立ち上がり、バイクに跨る。

私はただ立ち尽くしていて。






知らない。

そんな伝言伝えてない。








紫織?








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