白虎連合Ⅲ






こんなに心臓はうるさいのに、私の頭は妙に冷静で。

電話の向こうから聞こえたのは高い女の声。



私はこの声を忘れたことがない。








「―…絵里」









小さく呟いた声は聞こえたみたいで。

電話口から笑い声が聞こえる。








『あははっ、やっぱり気付いてた?あたしって』


「まぁね」


『つーか冷静やなっ、もっと怒鳴り散らすんかと思った』







怒鳴り散らしたいよ。

携帯壊したいぐらい我慢してんねん。




背後では隊員達の笑い声。

電話では絵里の笑い声。









「紫織はどこやねん」









拳を強く、握った。








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