白虎連合Ⅲ







「ゆいさん?」


「ごめん蓮、やっぱりうちが迎えに行くわ」






鍵を差し込み、蓮に笑顔を向ける。

ハンドルを掴み、今度は龍に視線を変えた。







「龍、先に暴走始めてて」


「え?」


「ちょっと遅くなりそうやから」


「ちょっ、ゆいさん?!」







龍の言葉を聞き終わる前にバイクを発進させる。



髪と特攻服が大きく靡いて。






もしかして絵里かもって思った時に捕まえたらよかった。

違っても、ダメ元で。








「くそっ…!!!」








ごめん龍、今回はちょっと頼れへんみたい。

蓮も彼女の問題やのに、ごめん。







紫織。








今助けに行くな。








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