白虎連合Ⅲ
『うぉっ、なんやねん』
突然の私の声に驚いたのか、英寿くんの声は焦っていて。
今はそれどころじゃない。
一分一秒時間を無駄に出来ないのだから。
「あんな、うちが英寿くんに拾われた場所あるやん?!」
『あー、自殺しようとしたことやろ?』
「そう!!!そこって場所何処?!」
この時の私は、もう冷静さを失っていた。
ただ一刻も早く場所を知りたくて。
携帯を持ったまま、片手でハンドルを握る。
一応スピードはそんなに出さないけど。
ちょっとでも進まなきゃ。
『なんでそんなん聞くねん?』
「ちょっと行きたくなったの!!!」
『はぁ?』
「えーから早く教えって!!!」
『南区の○○』
「ありがと!!!」
『ちょっ、』
一方的に電話を切り、バイクを強く回す。
後で怒られそうやけど、仕方ない。
風が、再び髪を靡かせた。
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