白虎連合Ⅲ
「ゆいっ…!!!」
名前を呼ぶ声が聞こえ、絵里から視線を変える。
絵里の背後にはワゴン車。
その横に数人の男。
「紫織、」
一人の男に捕まれた紫織は泣きそうな顔で私を見つめる。
制服は汚れていない。
怪我もなさそう。
よかった。
「ゆいは本当に紫織ちゃんが大切なんやねー」
「まぁね」
「あたしに対しては鉄パイプで殴ったくせにな」
「当たり前やろ」
「あははっ、やっぱり?」
本当は此処で暴れたい。
男は数人、女は絵里だけ。
勝てる見込みは完璧ではないけれど、本気でやればなんとかなる。
けど、
「紫織を汚い手で触んな」
紫織を危険な目に合わせるわけにはいかない。
.