白虎連合Ⅲ
完全に見えなくなった紫織は今頃何処にいるのか分からない。
でも、紫織だけでも逃げられてよかった。
「ムカつく、本間にあんたムカつく」
ダンッ!!!とワゴン車にぶつけられ、思わず眉間に皺を寄せる。
目の前にはキレた顔の絵里。
その背後には男達。
私にはもう、逃げる体力も戦う力もない。
「別に元々うちを呼び出すんが目的やったんやろ?」
「あ?」
「メールも全部放置してるから偽物になって、紫織を使ったんやろ?違う?」
「流石本物やん、正解」
私の居場所は無くさせない。
紫織も、白虎も私が守る。
それが守れた今、もう十分やわ。
「なぁ」
「なに?」
「もうこういうのやめへん?」
「はぁ?」
「うちら、いつまでもこんなんしてたらキリないで」
殴られた体が痛い。
流石に何人もの男に集中攻撃されたら体保たんわ。
でも、本当にこういうのはもう止めたい。
.