白虎連合Ⅲ
段々と山が近くなる。
真っ暗の山道の入り口が見えてきて。
数人の男達は楽しそうに笑う。
絵里は嬉しそうに笑う。
私はただ、肩に担がれたままで。
細かく震える体は決して勘違いじゃない。
本当は怖い。
本当は逃げたい。
コイツらの相手なんかしたくない。
でも、体は動かない。
「こっから入るけ?」
「そこからしか入り口ないやんけ」
「あ、そっか」
視界に入る道は砂利から土に変わる。
そういえば昔、うちもこの道入ったっけ。
制服ボロボロで傷だらけ。
今と同じ状況。
そして後ろからこう言われた。
「おい、そっち山道やぞ」
って。
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