白虎連合Ⅲ
大切な仲間
突然聞こえた声に目を見開く。
力を振り絞り、顔を上げた。
「う、嘘やろ?!」
「ゆい!!!お前一人で来いゆーたやんけ!!!」
「騙したんけ?!」
男達と絵里もその人物に気付いたのか、急に慌て出した。
けど、そんな声は聞こえない。
私の視線はただ一つ。
涙が溢れそうになる。
体が違う意味で震えて。
「英寿く、ん」
バイクに跨り、タバコに火を付ける。
黒髪が月の光で淡く照らされていて、鋭い瞳がこちらを見つめた。
「楽しそうやな、お前ら」
「和泉、英寿…」
妖しく笑うのは。
待ち望んでいた人物。
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