白虎連合Ⅲ





バイクから降りて、スタスタと英寿くんはこちらに向かって歩いてくる。

それに反応するかのように、男達は下がっていって。








「お前か、ゆいの名前使ってたんは」


「ち、違…」


「ほんでお前らが白虎隊員って偽ってた奴ら、」


「な、なに言って、」


「その肩に担いでる女、返してもらおか」






英寿くんが指差すのはボロボロの私。

苦笑いの男達はただしらばっくれて。



タバコが地面に落ちた。







「返せっつってんのが分からんのかボケェ!!!!」







罵倒する英寿くんの声がビリビリと伝わってくる。

その言葉を聞いて、私の目から涙が溢れた。







「お前一人で俺ら相手出来んのけ?!」


「はぁ?」


「こいつですら俺らに負けてんやぞ?」







肩を揺らされ私はだらん、としたまま。

けど英寿くんは、









「誰が一人やって?」










笑っていた。









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