白虎連合Ⅲ
「英寿くん、絵里のとこ連れてって」
「あ?」
「お願い、」
自分ではもう歩けないので、英寿くんのTシャツを引っ張る。
口から漏れる息がとても熱くて。
予想通り、英寿くんに睨まれたけど。
でも今は絵里の元に行きたい。
「チッ、しゃーなしやぞ」
私の体を抱え直し、砂利道を進む。
朱雀の中に入ると隊員達は自然に道を開けて。
その中に、
「離せっつってるやろ!!!」
夏美に胸倉を掴まれた絵里。
再び服を引っ張り、今度は下ろしてもらう。
ゆっくりと足を進めて。
「夏美、ちょっと待って」
「でもゆいさん、」
「いいから」
夏美に笑顔を向ける。
そして直ぐに真顔になった。
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