白虎連合Ⅲ
夏美に木刀を渡して貰い、力を振り絞る。
そしてそれを絵里の鼻先で止めた。
「絵里」
「なに?」
見上げる絵里。
見下す私。
周りがシン、とする。
「一つだけ言ってないことあるねん」
「だからなに?」
「絵里が昔からうちの事嫌いでも、憎んでても」
「……………」
「うちは絵里の事が好きやったで」
私に笑顔を向ける絵里が好きだった。
一緒に泣いて、笑えることが幸せだった。
「っ、」
「あの時、殴ってごめん」
「なんで、今そんな…」
「うちらもう、こういうの終わりにしよ?」
憎んで、やり返して。
そんなの終わりないやん。
終わりがないなら、終わらせるしかない。
.