白虎連合Ⅲ
絵里の泣き声が聞こえる。
私は歯を食いしばって、絵里から手を離した。
「おい」
背後から聞こえる声。
私はその声に振り向かなくて。
「お前ちょっと顔上げろや」
二の腕を掴まれて、強制的に立ち上がらされる。
瞬間、私は胸倉を掴まれた。
目の前には冷めた目の英寿くん。
夏美や朱雀の皆は息を止めて。
「お前まさか今のがオトシマエとか言うんちゃうやろな」
「…すみません」
「この女が何したか分かってるけ?どれだけ迷惑かけたか分かってんのけ?」
「分かって、ます」
「それは一発殴っただけで許される話なんけ?!あぁ?!!」
顔が上げられない。
英寿くんの顔を見れない。
「…すみません」
けど、今の私にはこれしか言えない。
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