白虎連合Ⅲ
か細い声が英寿くんに届いたのか分からない。
でも、これが私の精一杯だった。
「お前、本間に変わったな」
「……………」
「次はない、覚えとけ」
「え?」
思わず顔を上げ、英寿くんを見つめる。
すると英寿くんは少し笑っていて。
周りを見れば夏美も泣きそうに笑っている。
龍や蓮は遠くで男達を殴っていたけど。
「おい、お前次いらんことしてみろ」
「ひっ…!!!」
「その瞬間海に沈むからな」
英寿くんに睨まれ、絵里は身を小さくする。
私はただ、涙を流していて。
「夏美、陣と一緒に男達にオトシマエつけたれ」
「はいっ」
「ほんでゆい、お前は連行やアホ」
「はい…」
涙が溢れたまま、英寿くんに抱き上げられる。
そしてそのまま下を向いていた。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
心で何度もそう言いながら。
.