白虎連合Ⅲ





その言葉に私はポカンとして。

寿は寿で、子機を持って再び私の隣に座った。







「おとん携帯は?」


「持ってたけど海外やし、」


「ほな会社に掛けよか」


「えぇっ?!」


「ほら、会社の番号持ってきて」


「は、はい」






言われた通り、以前お父さんから渡された新しい名刺を引き出しから取り出す。

それを寿に渡して。



私は連絡することも出来なかったのに。







「双子やけど、俺かて兄貴やからな」


「寿、」


「妹困ってんのに見過ごすこと出来ひんやろ」


「あ、ありがとう」


「ほったらかすな!!!ってガツンと言ったるわ」






子機のボタンを押す寿は、なんだか格好良くて。



寿は少年院出てからお父さん達と会ってない。

私より気まずいはずやのに。




なんだか、嬉しい。







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