白虎連合Ⅲ





教室に入ると、当たり前だけど先生一人が座っていて。

私も向かいに座り、寿も私の隣に腰掛けた。






「えーと、お兄さん?ですか?」


「あい」


「す、凄く顔似てますね」


「双子っすから」


「は、はぁ」






あーあ。

先生までジロジロ見てくるし。



視線を感じながら差し出されたのは、成績表。

それを私と寿は同じように見つめて。







「ゆいさんの成績ですが、なかなか素晴らしいです」


「うわ、すげーなゆい」


「どーも」


「で、進路やけど…華風はどこまで考えてる?」






うわ、来たよその質問。

結局何も考えてなかったし。







「別に何も、」


「でもそれやったら大学は?これだけの成績やったら余裕やで?」


「うーん」


「そうやん、将来の夢ないんやったら大学で探したらええやんけっ」


「大学なぁー」







今更勉強すんの嫌でもないし。

確かに寿の言う通りかも。





大学、か。








.
< 286 / 358 >

この作品をシェア

pagetop