白虎連合Ⅲ







「そんな顔、似合わへんで?」


「え?」


「悲しい顔見たら、俺も悲しくなりそう」






見上げれば、そこには切なそうな悠介の顔。

いつの間にか戻っている金髪がさらりと揺れて。






「なんとなく分かるけど、俺等連れやん?」


「連れ…」


「うん、連れ」







悠介は私が地元に嫌われているのを知ってる。

嫌われてるっていうか、怖がられてるのかな。




理由は知らないと思うけど。



連れ、か。








「北海道でジンギスカン食べるらしいでー」


「え、そうなん?」


「その時は優しい俺が焼いてあげるなっ」


「子供ちゃうわっ」







知らなくていい、前はそう思っていた。

悠介の本当の姿を。





今は、何故か気になる。







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