白虎連合Ⅲ
知らない。
知らない。
知らない。
こんな龍、知らない。
人間、誰にでも裏表はある。
それはきっと、私にも。
でも龍には無いと思っていた。
私はそれを見抜けなかった。
「ゆいさんはいつもいつも一番に英寿さん」
「え?」
「酒を飲んで酔うと、いつも英寿に抱き付いてますもんね」
「知らな、」
「俺がそれをどういう思いで見てるか知らないっしょ」
「ちょ…!!!」
龍の手が浴衣の中に入ってくる。
それが怖くて、身を捩っても離れてくれなくて。
「龍…!!!」
「俺、前言いましたよね?」
「離してってば!!!」
「ゆいさんの事が好きって」
その言葉に、目を見開いた。
心にずっと押し込めていたもの。
忘れてしまっていたあの日。
私は、龍に告白されていた。
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