白虎連合Ⅲ





帰りのワゴン車の中は、行きと同じ列順。

、ということは私の隣は龍で。






「龍、お前ゆいになんかしたやろ」


「してないっすよ!!!」


「どーだか」


「英寿さんひでぇ!!!」






真横で聞こえる二人の会話。

それを聞くと、なんだか怖くなる。



龍は英寿くんの事が嫌いって言ってた。

でも、今は普通に話していて。





人には好き嫌いがある。

なら仕方のないこと、なんかな。







「ゆいー、どうしたん?」


「え?」


「なんかボー、としてたからっ」


「いや、大丈夫」







皆が皆、仲良しこよしなんて思っていた。

でも、そう思っていた私はまだ子供だったのかもしれない。





本当の感情を隠し、生きていて。





龍は本能で動いていたと思ってたけど。

結局、私は何も知らなかったのかな。








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