白虎連合Ⅲ





「でもゆい、本当は龍くんの気持ち気付いてたんやろ?」


「うん、」


「で、それを気付かぬ振りをしている内に忘れてしまったと」


「…はい」


「そりゃ龍くんも傷付くって」






確かに私は最低。

覚えてないけど、英寿くんに抱き付いてたらしいし。



いつでも英寿くん、英寿くん。





でも英寿くんに対しては恋愛感情は、ない。

お兄ちゃんというか、なんというか。

説明しにくいけど。







「ほんで?」


「ん?」


「龍くんに告白されて、どう思ったん?」






ニタニタと笑う紫織はワイドショーを見ている主婦みたいで。



どうって。

そんなん言われても。







「よく、分からん」


「嫌やった?」


「嫌、じゃなかったけど…でも昨日の龍が頭から離れへん」


「じゃあ好きとまではいかへんけど、気になってるわけやね」






そうなんかな。




うん、そうかもしれない。







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