白虎連合Ⅲ







「じゃあ質問を変えるな」


「う、うん」


「和泉さんのことはどう思ってる?」


「そりゃ英寿くんは特別な存在っ」


「でもそんな"特別な"和泉さんから連絡来なくても、へこまへんやろ?」






立ち上がり、座ったままの私を見下ろす。

表情は未だに笑顔。







「なんで白咲に対してはへこむんやろね?」







そう告げ、悠介は背を向けて歩き出す。

伝えられた言葉の答えは教えてくれない。



冷たい風が頬を撫でて、思わず私も立ち上がる。

けど、追いかけなかった。








『鈍感』








昨日紫織に言われた言葉が頭を巡る。





私は何かに気付いてる?

それを知らないふりをしている?






龍の気持ちを知っている?






そこまで考えて。







考えるのを止めた。








.
< 91 / 358 >

この作品をシェア

pagetop