白虎連合Ⅲ
「じゃあ質問を変えるな」
「う、うん」
「和泉さんのことはどう思ってる?」
「そりゃ英寿くんは特別な存在っ」
「でもそんな"特別な"和泉さんから連絡来なくても、へこまへんやろ?」
立ち上がり、座ったままの私を見下ろす。
表情は未だに笑顔。
「なんで白咲に対してはへこむんやろね?」
そう告げ、悠介は背を向けて歩き出す。
伝えられた言葉の答えは教えてくれない。
冷たい風が頬を撫でて、思わず私も立ち上がる。
けど、追いかけなかった。
『鈍感』
昨日紫織に言われた言葉が頭を巡る。
私は何かに気付いてる?
それを知らないふりをしている?
龍の気持ちを知っている?
そこまで考えて。
考えるのを止めた。
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