「あなたのライバル派遣します!」
第三章
夏休み入ってすぐに健から竜馬に遊びの誘いの電話がかかってきた。
『りょーまー。今日って暇? 暇だったら遊びに行かねぇ?』
「うん、いいよ。どこに遊び行く?」
『そうだなー、じゃ、買い物にでも行くか』
「買い物?」
『おう。じゃあ、一時間後に駅前で待ち合わせで良いか?』
「えっ、うん。わかったよ」
『じゃー、また後でなー』
「うん、後で……」
竜馬はすでに切れている電話をしばらく眺めながら、小さくため息をついた。
竜馬は、生まれてこのかた自分で服を買ったことがなかった。
いつも、母親が買ってきたものを適当に着ていただけだったので、流行のファッションなどというものは全くといって良いほどわからない。
こんなことなら、ファッション誌の一冊でも読んでおけばよかったと思ったが、後の祭り。
憂鬱な気分で出かける支度をしながらも、この後の買い物のことを考えていた。
そこで、急に何かを思い立ったように動くスピードが早くなる。
とりあえず、無難なジーンズにTシャツの上にシャツを重ね合わせて家を飛び出した。
向かった先は、近所のコンビニ。そこで、陳列棚に並んでいるメンズファッション誌を掴むとすぐにレジへと向かった。会計を済ませると、そのまま一旦家へと戻る。
ベッドの上に座り今買ってきた雑誌をパラパラと捲り始めた。チラチラと腕時計を見つつも雑誌を繰る手を止めない。
もう一度、時計を見てからやっとパタンと雑誌を閉じると今度こそ本当に家を出た。
『りょーまー。今日って暇? 暇だったら遊びに行かねぇ?』
「うん、いいよ。どこに遊び行く?」
『そうだなー、じゃ、買い物にでも行くか』
「買い物?」
『おう。じゃあ、一時間後に駅前で待ち合わせで良いか?』
「えっ、うん。わかったよ」
『じゃー、また後でなー』
「うん、後で……」
竜馬はすでに切れている電話をしばらく眺めながら、小さくため息をついた。
竜馬は、生まれてこのかた自分で服を買ったことがなかった。
いつも、母親が買ってきたものを適当に着ていただけだったので、流行のファッションなどというものは全くといって良いほどわからない。
こんなことなら、ファッション誌の一冊でも読んでおけばよかったと思ったが、後の祭り。
憂鬱な気分で出かける支度をしながらも、この後の買い物のことを考えていた。
そこで、急に何かを思い立ったように動くスピードが早くなる。
とりあえず、無難なジーンズにTシャツの上にシャツを重ね合わせて家を飛び出した。
向かった先は、近所のコンビニ。そこで、陳列棚に並んでいるメンズファッション誌を掴むとすぐにレジへと向かった。会計を済ませると、そのまま一旦家へと戻る。
ベッドの上に座り今買ってきた雑誌をパラパラと捲り始めた。チラチラと腕時計を見つつも雑誌を繰る手を止めない。
もう一度、時計を見てからやっとパタンと雑誌を閉じると今度こそ本当に家を出た。