「あなたのライバル派遣します!」
 それぞれ一位から三位までは賞状がもらえるため、順位が書かれた旗の後ろに各組の入賞者が並んでいた。

竜馬と健の姿もそこには見えた。仲良く隣同士に並んでいる。

 竜馬は1と書かれた旗、そして健は2と書かれた旗の後ろに。

どうやら、勝敗の軍配は竜馬に上がったようだった。

「ちぇっ、負けちまったか。まあ、竜馬になら仕方ないな。で、いつコクるんだ?」

「そのことなんだけど……」

「どうした?」

「まだ告白とか早いと思うんだよ。だから、次、健よりテストの順位が上だったら、その時こそ本当に告白しようかと思うんだ」

 賭けに勝ったくせに煮え切らない態度だと自分でも思っているのか、竜馬の視線はそわそわと落ち着かず、しっかりと健の顔を見ることが出来なかった。

後ろめたい気持ちがあるせいか、健が落とす沈黙に余計に落ち着かない気持ちにさせられる。

あまりに何も言わない健を恐る恐る見上げてみれば、健は腕を組んでなにやら考え込んでいるようだった。

「健?」

 竜馬の問いかけに、ハッとしたように健の目が見開かれた。

「あぁ、ゴメンゴメン。そっか、竜馬がそういうなら無理にとは言わないさ」

 竜馬からは、やっと安堵の吐息が漏れた。

「じゃ、次のテストマジで頑張らないとな。次は、負けないからな」

「僕だって、別に負けたいわけじゃないんだから手を抜いたりなんかしないさ」

 二人の少年は、お互いに見つめあうと再び硬い握手を交わした。

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