「あなたのライバル派遣します!」
第七章
年が明けて新学期も始まり、男子も女子もそわそわとし始める時期がやってきた。
二月も二週が過ぎた日の放課後、竜馬と健は朱莉と唯に会う約束をしていた。
正確に言えば、二人の方から会って欲しいという申し出を受けたのだった。
いくらにぶい竜馬でもその日が何の日かくらいは知っていた。
女子から男子への告白がまかり通るそう『バレンタイン・デイ』。
竜馬は、今までバレンタインのチョコをもらったことがないわけではない。
ただし、本命チョコなるものは残念ながらその中に含まれていたことはなかった。
それが、今回はもしかしたらそれをもらえるかもしれない。微かな期待に胸が高鳴る。
しかし、放課後になる前からすでに健のみならず竜馬の元にも大量のチョコレートが押し寄せていた。
直接渡されるものもあれば、机などにこっそりと入れられているものなど鞄に入りきれないほどの量になっている。
「なんか凄いことになってるな」
他人事のようにニヤニヤ笑う健を軽く睨みつける。
「お前だって同じようなもんだろう?」
「俺はだいじょーぶ。なんてったって準備万端だから」
そういって掲げた手には大型の紙袋が提げられていた。
そして、自分に宛てられたチョコレートを丁寧にその中へとしまいこむ。
その光景を呆然と眺めながら、竜馬は密かに舌を巻いていた。
そんな竜馬にはお構いなしに、すべてのチョコをしまい終えた健は満足そうに微笑むと、竜馬へと視線を移した。
「健ってやっぱ、こういうの慣れてんだな」
二月も二週が過ぎた日の放課後、竜馬と健は朱莉と唯に会う約束をしていた。
正確に言えば、二人の方から会って欲しいという申し出を受けたのだった。
いくらにぶい竜馬でもその日が何の日かくらいは知っていた。
女子から男子への告白がまかり通るそう『バレンタイン・デイ』。
竜馬は、今までバレンタインのチョコをもらったことがないわけではない。
ただし、本命チョコなるものは残念ながらその中に含まれていたことはなかった。
それが、今回はもしかしたらそれをもらえるかもしれない。微かな期待に胸が高鳴る。
しかし、放課後になる前からすでに健のみならず竜馬の元にも大量のチョコレートが押し寄せていた。
直接渡されるものもあれば、机などにこっそりと入れられているものなど鞄に入りきれないほどの量になっている。
「なんか凄いことになってるな」
他人事のようにニヤニヤ笑う健を軽く睨みつける。
「お前だって同じようなもんだろう?」
「俺はだいじょーぶ。なんてったって準備万端だから」
そういって掲げた手には大型の紙袋が提げられていた。
そして、自分に宛てられたチョコレートを丁寧にその中へとしまいこむ。
その光景を呆然と眺めながら、竜馬は密かに舌を巻いていた。
そんな竜馬にはお構いなしに、すべてのチョコをしまい終えた健は満足そうに微笑むと、竜馬へと視線を移した。
「健ってやっぱ、こういうの慣れてんだな」