「あなたのライバル派遣します!」
半ば感心しながら呟く竜馬の言葉には応えることなく、自分の鞄の中をしばらく漁るとスイっと右手を前に出した。
その手には、先ほどと同じような紙袋が握られている。
「ほら、竜馬の分」
「えっ? なんで僕の分まで?」
「そんなの当たり前だろう? こうなることは予測どおりじゃん」
竜馬には健の言っている意味が本当にわからなかった。
首を傾げつつも素直に健から紙袋を受け取ると、同じように丁寧にチョコレートを一つ一つしまい始めた。
最後の一つが袋の中に納まると、健が立ち上がり竜馬を促す。
「じゃ、そろそろ行くか」
「うん」
竜馬も歩き出した親友の背中を追うように足を動かした。
四人は、いつも待ち合わせに利用しているファスト・フード店の前でちょうど顔を合わせる形になった。
四人が遊ぶのはたいてい休みの日だったので、制服姿を見るのはお互い初めてであった。
そのせいなのか、それとも今日がバレンタインという日のせいなのか、多少ぎこちなく挨拶を交わしながら四人は店の中へと入っていった。
お互いに飲み物だけ頼むと、二階席へと移動する。
その間も特に会話はなかった。
ようやく席に着いたところで、ムードメーカー役の健が口を開いた。
「二人とも制服姿かわいいねー。なあ、竜馬」
その手には、先ほどと同じような紙袋が握られている。
「ほら、竜馬の分」
「えっ? なんで僕の分まで?」
「そんなの当たり前だろう? こうなることは予測どおりじゃん」
竜馬には健の言っている意味が本当にわからなかった。
首を傾げつつも素直に健から紙袋を受け取ると、同じように丁寧にチョコレートを一つ一つしまい始めた。
最後の一つが袋の中に納まると、健が立ち上がり竜馬を促す。
「じゃ、そろそろ行くか」
「うん」
竜馬も歩き出した親友の背中を追うように足を動かした。
四人は、いつも待ち合わせに利用しているファスト・フード店の前でちょうど顔を合わせる形になった。
四人が遊ぶのはたいてい休みの日だったので、制服姿を見るのはお互い初めてであった。
そのせいなのか、それとも今日がバレンタインという日のせいなのか、多少ぎこちなく挨拶を交わしながら四人は店の中へと入っていった。
お互いに飲み物だけ頼むと、二階席へと移動する。
その間も特に会話はなかった。
ようやく席に着いたところで、ムードメーカー役の健が口を開いた。
「二人とも制服姿かわいいねー。なあ、竜馬」