「あなたのライバル派遣します!」


「で、どうしてこうなってるんだ?」

「いえ、あの、わかりません。すんません」

「英、謝る必要ないぞ。だいたい、やっと直して放ったばっかなんすから三人とも状況は同じっすよ」

 轟が苦虫をつぶしたような顔を一瞬冠に向けると、そのまま視線を大型モニターへと移した。

そこには、高校生ぐらいの一組の男女が映し出されていた。

お互いに見つめあったままほんのり頬を赤く染めている。

 からかうように一羽のカラスが啼く。

二人はお互いの瞳を見つめたままクスリと笑うと、お互いの手をしっかりと握りあって暮れはじめた夕日に向かって歩き出した。

長く伸びる影が女の子のポニーテールにつられるように揺れている。
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