年下の幼なじみ【完】
通じ合った気持ち

葵Side


「あたしは、翔のことが


好きなの…!」


言った……!


やっと、言えた。



それでも、翔は黙ったまま。


やっぱり、あたしの気持ちは翔とは違う気持ちだったんだ。



「言いたいことは、それだけだから。じゃあ、あたし家に帰るね」



こぼれ落ちそうな涙を、必死に堪えながら、そう言って必死に階段を駆け降りた。



「葵っ、待てよ!」



叫んでいる翔の声を無視して、


「おじゃましましたっ」


「えっ、葵ちゃん?」



必死に、我慢していた涙が次々に溢れ出してきた。



「ふっ、……ヒック」


< 102 / 218 >

この作品をシェア

pagetop