年下の幼なじみ【完】
「恥ずかしいよっ」
それでも、オレが手を離さないことが分かったのか、手を離そうとはしなかった。
かわりに、顔を見られないように下を向いた。
これで、葵はオレのもんだってのを、みんなに分からせてやりたいんだよ。
って……
こんなこと恥ずかしくて葵には言えないけど。
「つか、もう人いないだろ」
葵が速歩きをしていたから、もう家のほうに着いてしまった。
もう、うちの学校の生徒はいないと思う。
「いなくても、恥ずかしいのっ。もう帰るから、ばいばいっ」