年下の幼なじみ【完】
全身が写し出す大きな鏡に二つの服を合わせてみた。
「どっちのが翔は好きかな?」
出来れば、翔好みにしたいしねっ
「ん〜、オレはぁ、こっちのがいいかな」
えっ、こっち?
「分かった。ありがとっ」
もう一つの服を床に置いて、翔がいいって言ったのを握りしめた。
「えっ?!」
ち、ちょっと、待って!
「なんで、ここに翔がいるのっ」
「だって、迎えに行くって行っただろ?」
ち、違うってば!
あたしが聞きたいのは、そこじゃなくて。
「いつの間に入って来たのっ」
「は?さっき、玄関で挨拶したの聞こえなかったのかよ」
うわっ、全然聞こえなかった。