年下の幼なじみ【完】
「あぁ、ホントだっ。じゃあ、今日は、どっちの家にしよっか」
あたしたちは、決まってどちらかの家に入って、好きなことをしている。
「じゃあ、オレん家にしよ」
「あ、うん。分かった」
翔の家に、入ると、中は誰もいなかった。
「あれ?今日、誰もいないの?」
「あぁ、今日はいない」
「えっ」
いつもは、誰かはいるのに。
誰も、いない家に入るなんて危険かな?
いや、だけど、付き合う前だって、そんなときあったし。
あたしの、気にしすぎかな。
「じゃあ、葵は2階に行ってて。オレ、飲み物持っていくから」
「何がいい?」って、聞く彼に、
「じゃあ、オレンジジュース」と、答えてから2階に上がった。